システムアーキテスト試験の午後2問題の傾向と課題について
はじめに
システムアーキテクト試験で一番対策が必要な午後2の論述問題について、簡単に傾向を見ました。
注意
見た問題は午後2問題の問1と問2の情報システムに関するものです。組み込みシステムの問題(問3)は経験がないので捨てることにしました。そのためここでは問3を除いてます。また、表中の設問、出題趣旨については過去問から適当に短くして抜き出しています。必ずしも表現が適切でないので注意してください。
問題の傾向
問題としては、出題趣旨の点について、システムアーキテストとして必要なポイントを押さえた考え方について、具体的な情報システムを基に論述できることがチェックされるようです。既にシステムアーキテクト的な立場の人で実務経験があれば、これまで携わった情報システムについて、問われている点を素直に記述すれば、合格が見えて来そうです。
私はミドルウェアの開発が主な仕事なので、それを使う業務システムの設計という意味では経験や考えが不足しています。そのため、携わった情報システムを捏造した上、設計時のポイントを押さえる必要があることがわかりました。
課題
情報システム設計時のポイントについては、ミドルウェアの設計にも通じる点があるでしょうから、それを情報システムとして応用すれば良さそうです。私にとっての一番の課題は、設計・開発に携わった情報(業務)システムをどのように捏造するかという点のようです。
現時点で、何か業務システムの開発について具体的に紹介している書籍やサイトを参考にそれらしいシステムを考えたいと思います。高度試験の設問で出題されているシステムも良いかもしれません。
年度別の設問と出題趣旨
A | B | C | D | E | F | |
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1 | ||||||
2 | 平成27 | 1 | システム方式設計について | ア | 対象の業務と情報システムの概要を、それぞれ特徴を含めて述べよ | システム方式設計について、設計とその決定理由、利用者の理解度を高めるための工夫ができる能力 |
3 | イ | どのようなシステム要件を実現するために、どのようなシステム方式を設計したのか。業務プロセスへの効果、実現可能性などの決定理由を含めて述べよ | ||||
4 | ウ | システム方式設計の結果を説明する際に実施した、利用者の理解度を高める工夫を、実例を含めて述べよ | ||||
5 | 2 | 業務の課題に対応するための業務機能の変更又は追加について | ア | 情報システムの概要、及び業務の概要とともに、業務の課題はどのようなものか述べよ。 | 業務の課題に対応するために必要となった業務機能とそれが必要な理由、それに対応するためのシステム変更・追加の内容とその工夫から評価する | |
6 | イ | アの業務の課題に対応するために、どのような業務機能の変更または追加が必要となったか。課題に対応できると考えた理由とともに述べよ | ||||
7 | ウ | 変更または追加の際に、既存機能の活用や既存の情報システムへの影響の最小化にどのような工夫をしたのか述べよ | ||||
8 | 平成26 | 1 | 業務プロセスの見直しにおける情報システムの活用について | ア | 携わった業務プロセスの見直しについて、見直しになった業務プロセス、及び関連する情報システムの概要とともに述べよ | 業務プロセスの問題点とその原因、原因を取り除くための情報システムの活用方法、例外的な状況でも業務プロセスが実行できるように想定した状況と対応する能力 |
9 | イ | アの見直しは、どのような業務上の問題とその原因に対応するためのもであったか、原因を取り除くためにどのように情報システムを活用したのか述べよ | ||||
10 | ウ | 例外的な状況でも業務プロセスが実行できるように、想定して検討した起こりえる状況とその対応を述べよ | ||||
11 | 2 | データ交換を利用する情報システムの設計について | ア | 構築に携わったシステムについて、データ交換を利用する目的を対象業務、及び対象の情報システムの概要を含めて述べよ | 企業間や企業内システム間でデータ交換をする情報システムを構築・設計する能力 | |
12 | イ | どのような制約事項を踏まえて、どのように情報システムを設計したか述べよ | ||||
13 | ウ | データ交換に伴うどのような異常を想定し、情報システムでどのような対応方法を用意したのか、どの対応が必要になる理由とともに述べよ | ||||
14 | 平成25 | 1 | 要求を実現する上での問題を解消するための業務部門への提案について | ア | 携わった要件定義について、その概要を、開発の背景、対象の業務、業務部門からの要求を含めて述べよ | 要件定義で提示された要求を実現する上で発生した問題の解消または軽減する設計能力 |
15 | イ | 要求を実現する上でどのような問題が発生したのか。その問題を解消又は軽減するために、業務部門にどのような提案をしたのか、業務や情報システムでの対応を中心に述べよ | ||||
16 | ウ | 提案の中で、業務部門が提案の採否を判断しやすいように提示した評価項目などと、提案を採用する場合としない場合とを対比して評会sた業務上の効果、¥及びその評価結果について述べよ | ||||
17 | 2 | 設計内容の説明責任について | ア | 携わったその対象業務、及びあなたが責任をもって説明をした設計の概要について述べよ | システム開発関係者に対して十分な情報を提供し、設計した内容が適切であることを説明する責任があり、その説明能力 | |
18 | イ | 設計の内容を、誰に、どのような項目を理解してもらうために、どのような観点から説明したか述べよ | ||||
19 | ウ | 説明を限られた時間内で効率よく理解してもらえるように、どのようにプレゼンテーションを工夫したたか。その結果から、プレゼンテーションの内容について改善すべきと考えた点について述べよ | ||||
20 | 平成24 | 1 | 業務の変化を見込んだソフトウェア構造の設計について | ア | 設計に携わったシステムにおける、対象業務の概要および特徴について述べよ | 業務の変化に対応して容易に機能を変更できるようなソフトウェア構造の柔軟性をもたせた設計能力 |
21 | イ | どのような業務の変化を想定したのか、業務が変化してもシステム全体を大きく作り直す必要がないように、どのようなソフトウェア構造を設計したか述べよ | ||||
22 | ウ | イの設計において、生じた課題とそれに対応するために重要と考えて工夫した内容、及び設計したソフトウェア構造に対するシステムアーキテクトとしての評価について述べよ | ||||
23 | 2 | 障害時にもサービスを継続させる業務ソフトウェアの設計について | ア | 携わった、対象業務とシステムの概要、サービス継続の方針について述べよ | 障害時にも継続運用を可能にする設計能力 | |
24 | イ | アで述べた方針に基づいて、障害時にサービスを継続することにした処理は何か。継続運用を可能にするために業務ソフトウェアをどのように設計したか述べよ | ||||
25 | ウ | イでの設計で、継続運用に備えた処理や障害復旧処理においてどのような工夫をしたか述べよ。 | ||||
26 | 平成23 | 1 | 複数のシステムにまたがったシステム構造の見直しについて | ア | 携わった見直しについて、見直しの背景と概要、対象になった複数のシステムの概要を述べよ | 複数のシステムにまたがったシステム構造の見直しの能力 |
27 | イ | アの見直しについて、業務とシステムをどのような視点から分析し、どのような新しいシステム構造を選定したのか。メリットなどの選定理由とともに述べよ。 | ||||
28 | ウ | イの新しいシステム構造には、どのようなデメリットがあり、どのような軽減方法を検討したのか述べよ | ||||
29 | 2 | システムテスト計画の策定について | ア | 携わったシステムテストについて、対象業務と対象システムの概要、及び期間や費用などの制約について述べよ | 制約の中で効率よくシステムの品質を確保するシステムテスト計画を策定する能力 | |
30 | イ | アのテストを計画する際に、どのようなテス重点確認項目を設定したか。考慮した業務の重要度や業務特性とともに述べよ | ||||
31 | ウ | イのテスト策定において、制約のある中で効率良くシステム音品質を確保するために、あなたが重要と考え工夫した点について述べよ | ||||
32 | 平成22 | 1 | 複数の業務にまたがった統一コードの整備方針の策定について | ア | 携わった統一コードの整備方針の策定における、複数の業務にまたがった業務改善の目的と、対象コードについて述べよ | 業務横断での業務改善が増えている。業務改善を実現するために、全体最適の観点から統一コードの整備方針を策定する能力 |
33 | イ | アで述べた業務改善を実現するために、現状の業務やシステムをどのような視点から調査したか。その結果に基づいて、どのような統一コードの整備方針を策定したか述べよ | ||||
34 | ウ | イで述べた整備方針の策定で、与えられたコストと期間で業務改善を実現するために重要と考え、工夫した点を述べよ | ||||
35 | 2 | システム間連携方式について | ア | 携わったシステム間連携方式の検討において、対象システムの概要と連携が必要になった背景について述べよ | システム関連連携時の要件を実現する最適なシステム方式の設計能力 | |
36 | イ | アで述べたシステムを連携させる際に、どのような業務要件を踏まえ、どのようなシステム要件を明確にしたか。その要件に基づいてどのようなシステム間連携方式を選択したか、選択した理由とともに述べよ | ||||
37 | ウ | イで述べたシステム間連携方式について、運用要件と実現方法を、重要と考えた点を中心に述べよ | ||||
38 | 平成21 | 1 | 要件定義について | ア | 対象業務の概要とシステム開発の目的を述べよ | 要件定義を行う上で必要な要求分析能力や要件定義能力 |
39 | イ | アで述べたシステムについて、ユーザ要求を正しく理解するために、どのような点に留意してユーザ要求をヒアリングし、どのような要件としてまとめたか述べよ | ||||
40 | ウ | イで述べた要件をまとめる際、ユーザとの認識の相違をなくすために、重要と考え工夫した点について述べよ | ||||
41 | 2 | システムの段階以降について | ア | システムの概要と段階移行の方法について述べよ | 移行方式の設計能力 | |
42 | イ | アのシステムについて、平行運用期間中の課題をどのように想定し、その課題に対してどのような対応方法を選んだか。その課題、対応方法、選んだ理由を、業務の特性を踏まえて述べよ | ||||
43 | ウ | イで述べた方法を実施する上で、重要と考え工夫した点を述べよ |